私の卒業した高校ではクラスのことを組とよばずに
HR(ホームルーム)と呼ぶ。
3年生の3組はHR33。
今夜のそのクラス会だった。
当時、公立の中学から入った私は
付属の中学から上がってきた子たちに
キョーレツなカルチャーショックを受けた。
だって、つい昨日まで
三つ編みで分厚い学生鞄さげてたのに
みんなはブランドのバッグや服を身につけて、
お化粧までして、すんごいきれい・・。
そのときのショックがあまりにも大きかったせいか
高校の思い出といえば、
そういう劣等感みたいなのがデンと居座っていて、
送られて来たクラス会のお知らせには
ちょっとした恐怖すら覚えた。
なのになのに、
今夜、会場のお店に行ってみたら
「まみー、久しぶり!」と
あのとき私が畏敬のまなざしで見つめていた子たちが
親しみをこめて声をかけてくれる、
ずっと親友だったみたいに。
あれっ?って思った。
あれは私の勝手な劣等感と疎外感だったのかな・・
長い年月っていうのは時として
ちりめんのシワみたいな心の葛藤の束を
瞬時にまっさらなシーツみたいにしてしまう。
女の子たちはみんな雑誌から抜け出たみたいに
さらに洗練された美しさを醸し出して
それぞれのキャラを生かした道で活躍している。
私にはとても及ばないけれど、
今は何の劣等感も疎外感もなく
彼女たちの輝きが心から嬉しかった。
そしてそんな自分も嬉しかった。
私には私オリジナルの素敵な世界が、ここにある。
年をとるって、
できてしまいそうなシワを
毎日鏡で見張ってることばかりじゃない。
でもそれが分かるには
ずいぶんと時間がかかるのだ。
きっとこれからもまだ。