朝、部屋に太陽がいっぱい射し込んでくるだけで
こんなに希望が持てるのはなぜだろう?
雨が続くと、自分が虫けらとかぞうきんとか
そんなものみたいに思えて
泥の沼にずぶずぶ埋もれていくのを
必至に耐えてるようなときもあるのに。
お日さまには、人間にとって
きっと不思議な、けれど明確な力があるに違いない。
私が大切にしている絵がある。
小さな版画だけれど
大きな草原の真ん中にお母さんがいて
生まれたばかりの赤ん坊を抱いていて
そこに犬がたわむれて
その上には、お日さまが
静かにある。
私はつらくなるとその絵を見て
私もこんなふうに愛されて
そこから始まったのだと思い
そうすると硬直した心が
少しずつ溶けていくのだ。