私はスーパーマーケットが好きだ。
ちょっとくらいブルーな日でも
スーパーに入る瞬間は、なんか気合いが入る。
夏のスーパーは冷房が効いててかなり寒いから
上に羽織るものは決して忘れない。
刑事が拳銃と手錠を持って乗り込むみたいに
カーディガンをさっとひっかけて、自動扉の前に立つ。
なんでだろうなぁ。
減った牛乳や卵を補充するとか、
今夜のおかずは何にしようか考えるとか、
そういうことは、精神の活性化につながるのかな。
興味をひく新製品を見つけたり、
好きな果物がいつもより安くなってたり、
そういうのを「おっ!」と思うのも、これまたいい。
心の血液が、ひゅんと循環する。
時間があれば、こころゆくまでぐるぐる回って
スーパータイムを堪能する。
先日の夕方、たまたま立ち寄ったスーパーで
コーンフレイクの試食販売をやっていて、
柔道着を着た小さな兄妹が
売り場にはりついていた。
販売員のお姉さんが小さなカップにシリアルを入れていくのを
真剣なまなざしで、じぃーっと見つめていて、
それが妹んちのレトリバーが「待て」をしている顔にそっくりで、
心の底から愛おしくなってしまった。
たくさん食べさせてやってくれよ。
近所の小学校で運動会のある前日の夕方には
地元のスーパーは親子連れでいっぱいで
「お弁当、何にする?」なんて会話があっちこっちで聞こえる。
油揚げが売り切れていて、
お母さんが「あーっ、遅かったかー」なんて言ってて、
この地域では、手作りのおいなりさんがポピュラーなのだと知る。
なんだ、まだ日本も古き良き感じあるんだね、よかった。
なんていう収穫もある。
人生、そりゃあいろいろあるけど、
スーパーではみんな「生活」の部分だけになるから
それがいいのかもね。
人間って好きだなって、いつも感じる場所。