夜遅く、ガレージの雪かきをした。
とはいっても、雪かきの道具がないので
仕方なくデッキブラシを使う。
雪がどんどんブラシにくっついて重くなり
作業効率の悪いことったら、この上ない。
おまけにクロックスをつっかけて出たので
靴下がみるみる水浸し…。
今さら靴を履き替えても遅いので
そのまま冷たさに耐えて黙々と雪をかく。
東北の雪深い土地の老人が
この雪かきを、しかも屋根に上ったりして
たった一人でやっているのかと思うと
心が痛む。
もちろん彼らの方が超ベテランで
こんなへっぴり腰の東京人が何を言うかと
笑われてしまうだろうけれど。
ふと道路を見てハッとする。
ふだんは小さな街灯だけで
闇に包まれている通り。
今夜は白い雪に覆われ
荘厳なほどに、静かに、輝いている。
その無口さに思わず吸い込まれそうになる。
生きている地球の、四季という息吹の中で
私もまた生きている。