10数年ぶりの弾き語りのライブをやって、
そろそろ少しは味のある演奏を…とステップアップを見据えていたのに、
まあ、なんと緊張したことか…
なぜ勝手に震える?指よ!
ひと晩、自分の不甲斐なさにもだえ苦しんで
どうにかまた立ち上がる。
そして、こどもの日。
いつもの銭湯に久しぶりに行く。
最近、心も体も超インドアで、
「おうちにいるのがいちば〜ん」という独白が多い。
よれそうな心、くじけそうな体、
それを守ろうとしているのでしょう、きっと。
そしてどんどんもやしっ子になってゆく。
もやしが久しぶりに行った銭湯は
こどもの日の菖蒲湯で、
いつもよりたくさんの人、駐車場も満杯。
それでも広い湯船につかって
ふわああ〜〜っと深呼吸というか、ため息というか
そんな呼吸をすると
「休日」という言葉が浮かんでくる。
休みがないわけではないのに、
最近の私ときたら、年中無休、頭の中はぎっちり詰め物でいっぱい…
だったということに、はたと気づく。
休みというのは、仕事がなければいいってもんじゃなくて、
自分であえて「休む」ことをしなくちゃいけないんだぁと気づく。
洗い場で隣に、おすもうさんみたいにたっぷりと太ったお母さんと
生まれたばっかりみたいに見える、これまたたっぷり太った赤ちゃんがいて
お母さんが石けんで体を洗ってくれる間、
うぎゃあ〜〜うぎゃあ〜〜とずっと泣いている。
その母子の風景が、世界一、宇宙一、平和で微笑ましくて、かわいくて
顔がふにゃ〜んとゆるむ。
私が菖蒲湯につかっていたら
そのお母さんと赤ちゃんも入ってきた。
赤ちゃんが、むんぎゅっと菖蒲の葉っぱの端をつかんだのを見て
菖蒲湯の湯船にいた、おばあさんやおばさんやみんなで、どっと笑った。
みんな裸で、みんな一緒。
赤ちゃんが私の顔を見ているので
ヘンな顔を色々していたら、赤ちゃんが泣いてしまった。
それでまたみんなが、どっと笑う。
脱衣場で服を着ていたら
赤ちゃんとお母さんはもう帰る支度ができていて
小さな女の子が赤ちゃんを興味深げにのぞきこんで
「何歳?」なんて聞いている。
その子もとってもかわいい。
帰りがけにそのお母さんが、私に会釈をしてくれて
「どうもお騒がせしました〜」と爽やかに笑う。
「いいえ〜(泣かしたのは私ですから)」と答えつつ、
心が解きほぐれて幸福感に満たされて
ふんにゃっと涙がこみあげた。
休日。