昨夜、急性胃炎で入院した。
入院なんて3歳で鎖骨を折ったとき以来だ。
お腹が痛くて我慢できなくなったのは
もう夜の8時だったので
消防署の救急隊に電話をして
夜間診療をする近所の総合病院を教えてもらい、
ひん死の状態で自転車を走らせた。
なのに、そこにいた内科の先生は
「虫垂炎かもしれないな
明日、外科の先生が来るまで入院しましょう」と言う。
えーっ、こんなにお腹が痛いのに?
明日まで待つの?
そんな不安がむくむくと体に充満して
痛みはさらにひどくなる。
病室に入ると、もう消灯になっていて
他の人たちは静かな寝息をたてている。
なのに私は苦しみのあまり
ついウーウーうなってしまい、
皆さんに申し訳ないなーと思うことがまた辛く、
息が荒すぎて過呼吸になり、手足が硬直して、
ナースコールのボタンが押せなかった。
結果、点滴のホルダーをガラガラ同行したまま
廊下に転がり出て座りこんでいたら
「うおーっ、びっくりしたぁー」と
やっと看護婦さんに気づいてもらえた。
苦しさの向こうで
イイ歳してカッコワルイなーと思いつつも
息も絶え絶えに「お腹が・・痛い」と訴えてしまう。
「とにかく病室に戻りましょう」と
両脇を抱えられて病室に戻り、
強い痛み止めの注射を数時間おきに何本も打ってもらった。
本当に苦しかった。
記憶の中で、こんな苦しい思いをしたのは初めてだ。
昨夜の時点では病名も分からなかったので
不安というより、ひとりっきりで怖かったのだ。
死ぬときというのは、これくらい苦しいのかな、
いや、こんなもんじゃないだろう・・
だけどこんなに苦しいくらいなら
いっそ死んでしまいたい、とさえ思った。
でも、私を愛してくれた人たちに
ちゃんとお礼を言えなかったな、と思ったら
いたたまれない気持ちになった。
朝になったら、周りに寝ていた5人の女性は
みんな白髪の老人だというのが分かった。
あんなに騒がしく苦しんで悪かったなぁと思う。
もうだいぶ年輩の息子さんとかが来て
かいがいしくご飯を食べさせたりしている姿に
とても胸を打たれる。
私には明日のファンクラブのイベントとか、
秋や冬のライブとか、
新しい曲を作ることとか、
いっぱいいっぱいやることが待っている。
誰のために、というのではなく
きっと使命だ。
点滴打って寝てる場合じゃない、
先生にお願いして、退院の手続きを取ってもらい
昨夜停めた自転車にまたがり
猛暑の街を駆け抜けて家に戻って来た。