わがバンド、ランジェリーオブライフの若者二人と
ランジェロというユニットを結成した。
ギターのしげちゃんも、ベースのはまちゃんも、
風貌はロックミュージシャンそのもので
今どきのオシャレな青年なのだけど、
努力家で誠実で、礼儀正しくて、
きっと、きちんとしたご両親に育てられたのだろうなと、
そう感じさせる二人だ。
私がリクエストしておいたことは
いつも必ずカンペキにやってくれる、
若きプロフェッショナルだ。
そんな彼らの努力と進歩に負けないようにと
私も、より練習に気合いが入るようになった。
どんなことでもまず自分の努力は不可欠だけど、
こういうときに人からもらうパワーってすごいな。
ライブを本格的に始めるようになってから
丸9年くらい経っただろうか、
最初のころは、女の子たちがいっぱいライブに来てくれて、
そのうち彼女たちが乳飲み子を抱えるようになって
夜の外出ができなくなり、
一時期、同世代の女性のお客さんが少なくなった。
そして最近、その乳飲み子たちが小学生になって
ママと、ライブへ来てくれるようになった。
「まみのライブが大好きだよ、また来るね」なんて
しっかりした字でメッセージを書いてくれたりする。
そのメッセージカードを何度も何度も読みかえして、
私は遠い記憶をさぐるような気持ちになる。
歌を作っていると、どうしても内向的になって
自分の内側ばかり見つめて
自分にダメ出しばかりして、
今やってることの本質をスコーンと忘れてしまう。
ずっと昔の、
純粋に音楽が好きで、歌うのが好きで、創作が好きで、
そこに晴れわたった大空みたいな歓びを抱いていた自分は
どこにもいない。
でも、そんな遠い自分が発していたメッセージが
今、あの子たちに届いてるのかな…。
新しい曲を作るたび、 
もうこれ以上一曲も書けないような気がする。
切れた電話みたいに、頭の中でツーッと虚しい音がしてて
そこには再び何も生まれないような、そんな感じ。
でもきっとまた、音や言葉にしてみたい風景や心の動きが
生まれるのだろう。
そう気楽に思いつつ、とにかく歌うのだ。
ゴー、ランジェロ。