明けましておめでとうございます。
ってもう1月、終わってしまいます。
昨年クリスマスが明けごろから
せっせと歩き続けて
ほっと一息ついたら2月も目前…。
新年のごあいさつも抱負宣言も
およそ正月らしい清々しいことをスキップしたまま
2010にずれこんでいる。
抱負も何もないのだけれど、
昨年は、現実とまじめに向き合いすぎて疲れてしまって
「ああ、人生というものは
こういうふうに生きるものではないんだ」
ということに今さら気づいた大収穫の年だった。
まっすぐでいれば神様が道をあけてくれると
子供じみた考えのまま生きてきたけれど
それはある意味、最高の怠慢であって、
身をかわしたり、ピョンと飛び跳ねたり、
まぶたを臨機応変に開閉したり、
人生にはいくばくかの技が必要だ。
究極の阿呆になることも。
そんな中で、実はきっとまっすぐ生きていける(と思う)。
「40歳を不惑だなんて誰が言ったんだろう」と
先日、友だちが言った。
「昔は寿命が60歳くらいだったからじゃない?」と私。
ここへきて、やっと分かりかけていることが山ほどあって
まだよく分からないことが山ほどある。
もうよぼよぼしてきたのに。
まあいいや。
昨日、今年初めて、センチのライブに行った。
無論、メンバーの人たちに
「明けましておめでとうございます」を言った。
この人たちはなんでこういつも元気なのだろう、
それがまずスゴイ。
ゲストに、センチと同じ事務所のかわいらしい女の子が来ていた。
休憩時間に告井さんと話をしていて、彼女のことをふと聞くと、
「あの子は女優さんの卵なんだけど、今度映画が決まって、
で、歌も歌っていくってことみたい」と説明してくれた。
私が思わず
「わあ、なんか未来がすっごく広がってる感じ、いいなあ」と
羨望のまなざしでつぶやくと、告井さんがニカーッと笑う。
「でもね、歳なんか関係ないよ、
いつだって、やりたい気持ちがあれば何でもできる」ときっぱり。
告井さんは3年前にビートルズのギター演奏を始めて
とにかく好きでやりたいという気持ちだけで
やってきたのだそうだ。
発売したCDは大売れに売れて
一人きりのツアーも大好評のようだ。
絶対できないと思われるような難しい演奏も
やりたいという気持ちでとりかかると
必ず成果が生まれるという。
「3年前の俺が見たらぶっ飛ぶようなことが
今はできるようになってる」と笑う。
「大切なのは自分の気持ち、
それがやりたいという気持ちだよ」と。
セカンドステージのセンチの演奏を聴いているうち、
「ああ、私は参ってるんだ」と思った。
ゴツンと頭をぶつけても気丈に立って
何食わぬ顔して歩いていた自分に気づいた。
参ってるなら参ってるでいいじゃん、と思ったら
なんだか体がスーッと楽になった。
何をカッコつけてたんだか。
昨年までの大収穫を得て
今年は視界がもっと開けるかもしれない。
人生というものにもともと色はついてなくて
どんな色として見るかは自分次第だし、
どんな光をどこから当てるかも自分の思うままだ。
決まった色だと思い込んでいると
人生の色は、その色で決まり。
死ぬまで一色だけを見つめて
窮屈な狭い庭で暮らすことになる。
それはよーく分かっていることなのに、
しばしば他の色がまったく見えなくなる。
もう一生この庭から出られないと思うようになる。
人間って、というか私だけかもしれないけれど、
なんてもろくて不安定なのだろう。
ぐらぐら、ぐらぐら。
でもぐらぐらの振幅が少しずつ狭くなってきたかも。
頑丈な耐震構造の心を目指して、
今年もまっすぐ歩くか。