毎年、毎年、「あついですねえ」「夏バテしてませんか」なんて
同じ会話をしているのは重々承知なのだが、
でも季節の会話といえば、そんな言葉しか出てこない
夏というもののやるせなさ。

ここ数年、日本も亜熱帯みたいな気候になってきて、
ものすごいカミナリや豪雨が珍しくなくなってきた。
今日も、さっきまで家のすぐ上で、ドカーン!ドカーン!と
ものすごいカミナリが鳴り続け、
カミナリにうたれて丸焦げになる自分を何度か想像した。

事実、一昨年前、お向かいの家のエントランスの巨木にカミナリが落ちて
その木は真っ二つに割れ、
その家のライトをなぎ倒して広い玄関をふさいだ。
倒れる方向が90度違ったら、うちの車がぺちゃんこになっていた。
深夜にもかかわらず、近所の人たちがみーんな出てきて、
傘をさしながら、バックリ割れた巨木を眺め、
あーでもないこーでもないと騒いで
なんというか……盛り上がった。

今日は庭に面した窓を全開にして
豪快なカミナリとともにジャージャー降る雨をボケーっとながめた。
突然の豪雨に草いきれが舞い上り、畑のような高原のような香りに、
とにかく私も自然の一部なんだという感覚になる。
あーあ、このまま、この雨に溶けていったら気持ちよさそう。
そんな安らかな感覚が久しぶりに降りてきて、癒やされる。

亜熱帯化しているとはいえ、まだまだ四季のある日本。
夏は夏で、いいところいっぱい。
その自然の営みのなかに、生きるヒントはたくさんあふれてる。

さっきのダイナミックな雨とカミナリの交響曲はどこへやら、
庭の木々はやわらかい日差しに光って、澄んだ鳥たちの声が響いてる。