大学のときはよく遊んだ。
一年生の最初の英語の授業で、
先生がこう言った。
「お前たちは、4年間という自由な時間を
カネで買ったと思え」
これって、先生は本当はどういう意味で言ったんだろう?
そのときの私は
「思いきり自由に遊んでいい」と解釈した。
中学や高校みたいに、授業も大変じゃなさそうだし、
なんか自由じゃん、大学生って。 
・・と思って。
で、遊んだなぁ。
クラスはほとんどが男の子で
不真面目なヤツばかりだったから
毎日毎日みんなで海へドライブしたり、
飲みに行ったり、カラオケしたり、
朝まで遊ぶこともしばしばだった。
ヤツらさえいなければ、もっと勉強したかもしれない。
大人になって確信するのは、
男の子っていうのは、いくつになっても「男の子」で、
やんちゃなままなのだ。
大学生のとき、みんなでキャンプに行って
テントを建てなきゃならないのに、
野球して遊んでばかりいてケンカになったり、
パンツを脱がせあってめちゃくちゃ喜んでいたり、
女の私からすればあきれることばかりで、
いい加減大人になれよ、と思った。
今彼らに会うと、子供を同伴している場合が多いため
パンツの脱がせあいはしないが、
本質は何ら変わっていないことを私は知ってる。
ただ、社会的にどう見られているかを
大人になると本能的に察知して、
そのご期待にそうようにふるまってしまうだけだ。
だから、子供抜きでまたキャンプに行けば
ケンカもパンツの脱がせあいもありうると思う。
でも現実には、
あのころのメンバーがみんな
物理的、精神的に、すっかり自由になれることはないだろう。
私は彼らの中で一番、
社会的期待から外れて生きてる人間なので、
ついそんなことを考えてしまう。
この秋のにおいが、
あのころを思い出させてやまない。