一人きりの弾き語りライブ、やりました。
お店「リエゾン」はとっても素敵な所で、
おうちのリビングルームそのままのような、
本棚やソファやかわいらしいテーブルがあって、
おいしいお料理が出てくる。
いつものように、心あったかいお客様が
平日にもかかわらず、お仕事のあとに駆けつけてくれて
じっと私の歌に耳をすましてくれた。
そしてお店のオーナーさんは、
どこの馬の骨だか分からない私を
優しく受け入れてくださって、
演奏中も終始、優しいまなざしで見守ってくれた。
私の音楽の道は、いつも温かい愛であふれている。
なのになのに、
スットコドッコイの私は
例によって最初の3曲、ガッチガチに緊張して
指の震えは当たり前、足までブルブル震えて
椅子から落っこちそうになった。
意に反して起こる、このいつもの現象が情けなくて
歌いながら涙がにじんでタオルで拭き吹き歌った。
聴きに来てくれていた友人に
「泣いてるよーー」と笑われ、それにむしろ救われた。
あーもう、何年ステージに立ってんですか、あなたは。
弾き語りがいくら不慣れだからって、
どうにかしてください、こいつ!と
その後も数日、自分をのろっていた。
歌を作ること、歌うことは、大大大好きだけれど、
人前でパフォーマンスをすることは本当に、
向いていない。
自分が真ん中にいることがどうも苦手なようだ。
これってたぶん自意識過剰の裏返しだと思うけれど。
ライブのあとは、たいてい
「向いてない… ああ、向いてない」と
数日間、つぶやき続けている。
そんな先日の朝、「あまちゃん」を見ていたら、
主人公のアキが、薬師丸演じる大女優の先輩に
「私、女優としてどうですか?」と聞くと
「あなた、やっぱり向いてない。」ときっぱり言われる、
というシーンがあった。
もともとフリーズして見ているこの番組を
さらにフリーズして見守っていると、
薬師丸がこう続けた。
「でもね、向いてないことを続けられるのも才能よ、
続けなさい。」
天の声。