知人の犬をたまに預かっている。
大人なのにちっちゃくて、ぬいぐるみみたいな犬だ。
2番目にお腹から出て来たから、
ワン、ツーの「ツー」というシンプルなネーミング。
見知らぬ人には用心深いが
私のことは「友だち」だと思ってくれて、
私が犬のようにコロコロ転がりながらじゃれると
大喜びしてお腹を見せる。
今日は、犬も入れる大きなホームセンターに行った。
当然犬はたくさんいるし、犬好きな人だらけ。
毛の手入れが立派にいきとどいたシュナウザーとすれ違い、
「すごくきれい!」と思わず言うと
「そう、今やってもらったばかりなんだ」と、おじさんが笑う。
「やっぱり? グッドです!」なんて、私も親指を立てると
エヘヘヘと、うれしそうなおじさん。
出口で会ったご夫婦には
「あら、ウチの子と同じ犬だわ、
やっぱり目についちゃうわね」と声をかけられ
ツーはご夫妻の間をクンクンと行ったり来たり。
「やっぱ匂いで分かるのかなぁ」と
だんな様も横で笑っている。
みんな、笑ってる。
犬と子供は、素敵なコミュニケーションをくれる。
ふだんは目もあわさない人たちとの間に
自然に、優しい気持ちで、さりげない会話が生まれ、
あとに爽やかな気持ちが残る。
いつだって、こんなふうに無防備で、
水みたいな気持ちでいればいいんだ。
たとえそれが現実にできなくたって、
そんなふうに「在る」ことができる、
そのことを忘れなければいい。
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