ふとしたご縁がきっかけで、
「大人と子供のための読みきかせの会」のお手伝いをさせていただいた。
これは女優の中井貴惠さんが
一人の女性として、お母さんとして
ボランティアでもう10年も続けていらっしゃるチャリティ活動で、
メンバーもすべて、お仲間のお母さんたちだ。
長期間にわたる入念な準備、
当日の段取りづくり、会場の設営、進行、
そして、ステージ。
貴惠さんも、いちスタッフとして
開演直前まで、メンバーたちとこまごまと動き回っている。
ディレクターも、ピアニストも、舞台装置を作る人たちも
皆、一般のお母さん。
10年の歴史を持つチームだけあって、
朝の会場入りから、終演後のあと片付けにいたるまで
一寸のムダもなく、カンペキなチームワーク。
会場の灯りが落ちて、ピアノの演奏が始まると
その、生まれては優しく溶けてゆく音色に
もう涙があふれてくる。
美術担当の美人姉妹が作った超大型の美しい絵本、
そこに貴惠さんの大地のような温もりの声が重なり、
小さな子供たちも、そして大人も、
物語の世界へひき込まれてゆく。
これは一体何だ?
感動と驚きがまぜこぜになって、
椅子に体が沈みこんでゆく。
一人のお母さんたちが集まって作った、手作りの公演。
ちまたのプロ集団が作るものより、はるかに高いクオリティー。
それは静かに、神々しい光を放っている。
ああ、見せたいなぁ。
大切な親友や、その子供たちの顔が
次々と浮かぶ。
受付のお手伝いなどで私がまごまごしていると、
皆さんが優しい笑顔でアドバイスをしてくださったり、
ササッとお手伝いをしてくださったりする。
彼女たちには、子供を育ててきた母の優しさと強さがあって、
私は、心安らかで、何かに守られているような
そんな懐かしい気持ちになる。
自分は何か間違えてる… そう思った。
道をはずれて砂漠の真ん中にボケっと立ってる
まぬけなロバみたい。
私が私の中に持っていることで(もしそんなものがあるなら)
何かもっと人のためになることをできないだろうか、
最近ずっと考えてることではあるのだけど、
今日は、そこにカギカッコがついたような感じ。
こんなに潔くムダがなく、
愛情とひたむきさのもとで見事に出来上がっている気持ちのいい現場は、
ほかに見たことがない。
心洗われる貴重な二日間だった。
ありがとう。
**中井貴惠さん
7月の読み聞かせ公演 「ナゲキバト」
(こちらは、女優としての中井さんの公演です)
7月5日〜8日
赤坂RED/THEATER にて
(赤坂見附駅2分)
詳しくは
こちら