たまに見るスポーツニュースで
ゴルフやテニスや野球やサッカーの選手の姿なんかを見ると
「おお、今日もまだやってるんだぁ」
と、純粋に感心してしまう。

私が私なりの人生につまずき転び、立ち止まりながら
時間を湯水のようにやりすごしてしまっているうちにも
彼らは淡々と、その道を歩み続けている。

それぞれの人生を「引き受ける」という言葉が浮かぶ。
みんな、与えられた素質、才能、運の巡り合わせ、
そしてもちろん、熱意や努力といったものから
今の道にたどりつき、その道を歩くことで
それぞれの人生を引き受けている。
他の人の人生へ、ひょいと乗り換えることは決してできない。
これがまさに自分の道と信じて進んでいる人もいれば、
日々葛藤と闘いながら、暗中模索、漂流の日々の人もいるだろう。
私も、この人生を引き受けなくてはならない。

人生を「降りる」という言葉も同時に浮かぶ。
子供のときのように
「いち、おりた!」といって
走って家に帰ることができれば楽だけれど、
そうはいかない。

降りることもできず、うまく引き受けることもできず、
年をとって、エンディングはもう、あまり遠くない所にある。
人生って、こういうもんだったのかぁ…と
ちらちら見えてきたその本の全貌を思い、
小さなため息と小さな笑いがもれる。

何か一つでも残せるものをつくれたら、と思う。
でもそれをつくるには
しっかりこの人生を引き受けなくてはならないだろう。
グリーンやコートや球場に毅然と立つ彼らとは正反対に、
私は今日もその試合を前に、途方にくれている。