先日のライブのMCで
今までどんなクリスマスを過ごしたかという話になった。
結論から言うと、クリスマスの時期っていうのは
プロのミュージシャンたちはいつも仕事をしていて
のんびりクリスマスなんか過ごしたことがない。
結局メンバーの話はそこで終わり。
私はフツーの大学生活と
フツーのOL生活をずっとやってきたので、
フツーのクリスマスを何度も過ごした。
クリスマスにはボーイフレンドと
カンペキで感動的な一日を過ごさねばならないという
強迫観念にとりつかれて
それは綿密に計画をたてた。
誕生日でもあるので妙にリキが入り、
欲しいアクセサリーや
泊まってみたいホテルなんかをそれとなく伝え、
その日の待ち合わせに彼が遅れて来ようものなら
「もうっ、減点1!」と心で舌打ちをしたものだ。
考えてみれば、まだ若僧のくせに
気取ってレストランの席に座り
ウェイターさんに高いシャンパンを注文したりして、
そんな私たちを彼らはどう見ていたかと思うと
ちょっと恥ずかしい。
雑誌に出てくるような絵になる時間を一生懸命演じて、
そのことに満足しようとしていた。
別の言い方をすれば、
二人をつなぐものは、そんなことだったとも言える。
生活に演出や脚色をほどこさなければ
二人でいる楽しさを見いだせなかった。
そんなことに神経やお金を費やして
相手を本当に見つめることを忘れていたか、
あるいは避けていたか・・。
本当に好きな人といるなら
どんな場所でもかまわないし、
家でありあわせのお鍋をつついていたって楽しい。
とっておきの話題もいらないし、
ムーディーなBGMも不要。
顔見て、ときどき何でもない会話を交わして、笑って、
二人の温度の中での、安堵を楽しめる。
その人が愛おしければ、それだけでいい。
でもこれも、長い時間を費やして、
やがて分かることなのかもしれない。
「人生のあらゆることには
すべて意味がある」という言葉が好きだ。
(先日のライブでいただいたお花のひとつ。
とってもクリスマス!)
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