深夜の下北を歩いていたら
目の前にドタドタとヒールを鳴らして歩く変な女の子。
ちょっと酔っぱらってるみたい。
服装はフレアのスカートにキャミにカーディガン、
なかなか清楚で素敵なのに、
ガニ股で乱暴に蛇行して歩いてる。
ふと見ると私の隣りには
フクザツな笑顔を顔にはりつけて後を行く男子。
彼女はときどき振り返って
「アンタなんか、大っキライ!」
「それがカッコイイと思ってるわけ?
バッカじゃないの?」
などど彼を罵倒している。
なのに彼はヘンな笑顔をはりつけたまま。
頼りないな、私もコイツは嫌いだ。
この二人だって、かつては恋のまっただ中で
キスをしたり抱き合ったりしたんだろうと思うと
オトコとオンナって不思議だなーと思う。
なんでこうなっちゃうかな。
私は今後の人生で、
こんなふうに罵倒するのもされるのも、まっぴらご免だ。
最低限の礼儀と、相手の気持ちに対する想像力と
そして忍耐があれば
簡単に避けられることなのに。
それにしても彼女、
そのドタドタ歩く後ろ姿はあまりにも
エレガンスに欠ける。
私が彼氏ならこの時点で冷めるな。
彼にちょっと同情した。
ガンバレ、若僧。