笑福亭鶴瓶さんの独演会を
青山円形劇場に観に行った。
次から次から新しい話を
絶え間なく、よどみなく、喋って
「職人」だと思った。
たぶん一つの話の後半では、
もう次の話のとっかかりを考えているのだろう。
ネタとして話がおもしろいのは確かなのだが、
やはり鶴瓶さんの「喋り」の
声の質感や、間や、トーンに
なんともいえない親しみと愛しさを感じて
ずーっと聴いていたいような気分になる。
初めて生で見る鶴瓶さんは
均整の取れたなかなか素敵な人だった。
そういえば昔の彼は、小太りで
ちょっと気持ちの悪いおじさんだったよなぁ。
歳を取ると素敵になる人って
たくさんいるんだなぁ。
自分もいい歳になって見る鶴瓶さんは
やんちゃな少年みたいにかわいく思えて、
奥さんは、さぞかし
この人を愛してるだろうと思った。
ちょっとした浮気とか深酒とか、そんなことも
彼が相手なら、
たぶんでっかい愛で包み込めるだろう。
そうして彼は、
いつも必ず彼女のもとへ戻ってきて
安らかに眠るのだ。
そんな夫婦像を想像してしまった。
女には、そんなこともできる。