昔、田口ランディさんが言っていた。
ネットにコラムを載せるとき、
自分はおごったことを書いていないか
自己満足に浸ってないか
公平性を欠いてないかなど
何度も何度もよーくチェックしてから
エンタを押すのだと。
ランディさんほどの人が
これほど神経を使っているということに
かすかな衝撃を受けた。
けれど、それが彼女の上質の証なのだろう。
それでもときどき、
ものすごい抗議めいた、きつい内容のメールが
来るのだそうだ。
そんなときはもう
「タダで読んでるくせに
そこまで言うアンタもアンタだ」と
思うことにしているらしい。
好きだなぁ、ランディンさんのこういうとこ。
彼女の話を聞いてから、
私もますます自分の文章に対して慎重になった。
自分で気づかないうちに
何か大きな過ちを犯してはいないか、
そう考えると、ときどき怖くなる。
書くことは、
私にとってかけがえのない勉強だ。