今日はお天気が良かったので
ベッドのシーツやタオルケットを洗って
お布団も干して、
その勢いで洗面台もピカピカに磨いて
花を飾った。
自分がどうしようもないときでも、
きれいなベッドや洗面所を見ると
すごく救われる。
最後の砦が、そこにあるみたいに。
そうしたら今度は無性に眠くなって
寝室から毛布を持ってきてソファで寝た。
新しいコンタクトレンズでは
眠ってはいけないと言われたので
わざわざはずした。
面倒くさいな、
昼寝くらい大丈夫じゃない?
私はいつでも明確な夢を見る。
このお昼寝で見た夢は
会社へ戻った夢。
混んだエレベーターに乗ったら
懐かしい顔がたくさんいて
「まみちゃん!」と口々に呼ばれた。
私もニヤッと笑って、
その笑顔が何故だか俯瞰(ふかん)できた。
えくぼを作って無邪気そうで
悪くなかった。
自分のファイルやら何やらが入っている段ボールを
両手で抱えて、自分のパーティションの中に入ると
そこはマホガニーの家具で統一された
なかなかのスペースで、前よりずっと豪華だ。
私のファンクラブにも入ってくれていた上司が
ビジネスマンのクールな顔に戻って
「やあ」と言う。
この素敵なデスクは彼が用意してくれたんだと分かる。
で、私は一体何の仕事をすればいいのか、
途方にくれた。
そこで市役所の5時の鐘が鳴り、目が覚める。
辺りはすっかり夜。
パンを買いに行かなくては!
寝ぼけた顔のままジーンズをはき、
かすかな春の匂いのする道を歩く。
得体の知れない切なさが、胸に充満している。