冬が終わったぁーと思う。
年々、寒がりに拍車のかかってゆく私は、
少し汗ばむくらいの日が来てやっと、
そんなふうに感じられる。
そろそろ自分んちに帰ろう。
自分の部屋へ。
この冬の寒さには(っていうか年々暖かくなってるのに)
身も心もかたまってしまって、
寒々しい自分の部屋からの避難生活を余儀なくされた。
コンピューターも辞書も本も何もかも
リビングのソファに持ち込み、
毛布にくるまってこそこそやっていた私。
洋服や必要なものがあれば
決死の思いでダーッと部屋に取りに行き、
逃げるように毛布に帰る日々であった。
今日、あったかく優しい様相を呈した部屋に入り
安全(!?)を確認すると
ディディエ・スキバンのピアノを流して
せっせと掃除を始めた。
お料理や掃除のときには決まってこれ。
窓を開け、机の上を片付け、
ありとあらゆるところのほこりを払って
キーボードの鍵盤一個一個に至るまで
部屋じゅうをきれいに拭いた。
拭くってのは、すごく健全な行為だなぁ。
自分がまともな人間に思えてくる。
人間が生きていく上で不可欠なのは
実はこんな感覚なんじゃないかと思う。
自分がまともだと安心できること。
おしゃれをして、なんだかウキウキできれば
そんな素直な自分がちょっとかわいくも思え、
人としてまともな感じがする。
映画を見て感動して涙を流せば
やはりそこには生の自分がまともに存在してることを感じられ
安堵できる。
自分がまともであることに
いちいち安堵しないで生きていられる人は
すごく健やかで、幸せな人だ。
そんな人になれたら、と思う。
数ヶ月ぶりに帰ってきた私を
この机は寛大に受け入れてくれてる。
変わらぬ心地良さ。
ありがと。