当たり前のように
私はいつか女の子を産んで、
いろんなことをたくさん教えてあげようと思ってた。
どうやら、もうそれはなさそうだけれど。
子供のころ、父の仕事の関係で
「アメリカンクラブ」という
アメリカ人専用の会員制クラブのメンバーだった。
そこにはプールや、ボーリング場や、レストランや
図書館があった。
当然そこにはアメリカ人しかいなくて
日本人はスタッフとウチの家族くらい。
とにかく当時はそうだった、
今はどうなのかな。
で、プールで遊ぶ女の子たちは
テレビに出てくるモデルの子みたいに
すらっと足が長くて、
同じようにアメリカンスクールの競泳用の水着を来ていて、
それがものすごくカッコよかった。
更衣室では、彼女たちは遠慮なく真っ裸になって歩き回り
日本人の私は恥ずかしかった。
同じくらいかもしれない歳の子がみんな
サポーターのような小さなブラジャーをしていた。
当時はそれに違和感を覚えたけれど、
つまり母親たちが
娘たちのおっぱいがきれいなるように、
そうさせていたのだと思う。
少しずつ体が大人になっていくことも
恥ずかしいことじゃなくて、
むしろ誇らしいこと。
大人の女になるのは、うれしいこと、美しいこと。
そんな感覚が、彼らの中にはあった。
私も娘ができたら、
そんな感覚を自然に持たせてやりたいと思った。
その感覚を持てば、
あるがままの自分を受け入れて、
自分を慈しんで大人になることができる。
そして大学生ぐらいになったら
海では必ず日焼け対策を万全にすること、
いつも胸をはってきれいに歩くこと、
人の目を見てきちんと話しをすること、
男の子とはたくさんつきあって
男をよく知ること、
結婚する前には最低2年は同棲して
「たしかめる」こと。
心の豊かさは
娘と体当たりで、育てていこうと思った。
そして、私もまた
成長していこうと思った。