荒川静香、万歳!
その朝、まだ暗いうちに目が覚めて
「フィギュアを見なきゃ」と思った。
こんなふうにスポーツ観戦する私なんて、
なんだか変。
完全無欠に見えたライバル選手の転倒を
「ラッキー!」と思ったけれど、
そのとき見せた彼女たちの一瞬の表情に
ふと人間臭さを感じて、切なくなった。
荒川静香さんも
いつも隙のない顔をしているし、
ずっとフィギュア界に君臨してきた
挫折知らずの女王だと思っていた。
だけど、彼女のこれまでの日々をいろいろと知るたび、
そんな自分の無知を恥じた。
いきなりこの舞台に立てたわけじゃない…
いきなりこの舞台に立てたわけじゃない。
この言葉が何度も私の頭に響きわたる。
オリンピックを初めて真剣に観て
今さらのように、そのことに気づいた。
これは人が生涯にわたって成長していくための
キーワードだ。