子供のころ、近所にバレエの教室があって、
私は窓ガラスにはりついて
いつもその練習をながめていた。
私も習いたかったんだけれど、
デブっちょで不細工な自分には
そんな資格もないような気がして
ついに言いだせなかった。
色とりどりのレオタードを着て
髪をきゅっとおだんごにして踊る子たちが
とても、まぶしかった。
昨日、親友の娘が初めてのバレエの発表会だったので
はりきって観にいった。
彼女は「白雪姫」のリスの役で、
茶色い衣装を着てとってもかわいい。
主役の白雪姫や王子様の踊りはそっちのけで、
私はちょこちょこと踊るリスばかりを目で追っていた。
まだ習い始めたばかりなのに堂々としていて
自分の踊る番がやってくるのを
ウキウキして待っているのが分かる。
その表情を観ていたら目頭が熱くなった。
つい最近まで赤ん坊だったのになぁ・・。
動きはぎこちない部分があっても
ほかの子よりリズムにハマっている、いいぞー、
と完全に親バカ気分。
それにしても、女の子の体って何てきれいなんだろう。
しなやかでやわらかで、うっとりする。
思えばガラスにはりついていたころの私と
何にも変わってないな。
ついぞ「女の子」になりそこねた私。