1960年代の後半から70年代にかけて、
埼玉の狭山、入間の米軍ハウスに
若いミュージシャンたちが住んでいたそうだ。
家賃は3ベードルームでも2万円くらいで、
彼らは一軒の家で共同生活をし、
毎日真夜中までセッションをしたという。
その若者たちがやがて、
日本のロック界を切り開いていく。
細野晴臣さん、小坂忠さん、麻田浩さん・・といった
そうそうたる人たちだ。
今日と明日は、その米軍ハウスがあった場所での
野外コンサート、HYDE PARK MUSIC FESTIVAL。
午後1時から夜の9時まで
当時のハウスにゆかりのある人たちが
続々と出演するのだ。
大きな木々に囲まれた野外ステージの前の芝生に座り、
まずはセンチメンタルシティロマンスのステージを観る。
相変わらずゴキゲンなサウンド、気持ちいい!
テレビの撮影も入っていて、
トクオさんのソロになると
カメラクルーがドーッと彼の舞台下に寄っていく。
得意そうな顔でカッコいいソロを弾くトクオさん、
これがなくちゃ、センチのライブ。
野口さんとベースの信ちゃんのリズムが
澄んだ森の空気を小気味よく突き抜けていく。
ものすごい人たちが本当に次々と出てくる。
野口さんが中学生のときからファンで、
鼻歌で歌っていたブレッド&バターの歌。
ホンモノを初めて聴いたが、最高だった。
鈴木茂さんのサウンドもオシャレだなぁ・・
これを20代のときからやっていたなんて、
すごい才能だ。
そしてそして、大ファンの小坂忠さんがトリ。
バンマスにご紹介いただき、握手をしてもらう。
感動・・。
忠さんは現在教会の牧師さんもしていらして、
音楽はクールでパワフルなロックなのに、
MCになると礼拝で牧師先生のお話を聞いてるような
敬虔な気持ちになる。
私の大好きな「ハッピーバースデー」という曲の前に
忠さんが「この歌をみんなに捧げます、
生まれてきてよかったね」と言うと、
涙がじわっとこみあげた。
夜は芝生に仰向けに寝っころがって、
木々の隙間から星空を眺めながら聴いていた。
人間はたった70年か80年の時間の中で
こうして美しいものを作って、ともに味わって・・
いじらしいような気さえして、
芝生の匂いの空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
生まれてきてよかった。