母はデニーズを「ディズニー」と言ったり、
ディズニーランドを「デニーズランド」と言ったりした。
それを私たちが笑うと、一緒になって笑ってたっけ。
母のお気に入りだった私の親友2人とそのファミリーで
ディズニーランドに来た。
アメリカに住む一人が日本に一時帰国したので
今回はこんな企画。
30年近い仲の私たち3人だけれど、
こうして一緒にディズニーランドに来るなんて初めて。
それだけでウキウキしてしまう。
日本組の友だちの9歳の娘
(本人いわく「100回くらい来てる」ディズニーフリーク)が
今日のディズニースケジュールを
3日かけてノートにビッシリ書いてきてくれた。
私達が効率よく、オイシイ所をしっかり楽しめるように
プランをたててくれたのだ。
その律儀さと愛情深さは、母親にそっくり。
まさに私たちが彼女を愛しているポイント。
今回は小さな子供連れなので、
まずはコーヒーカップに乗る。
アメリカから帰った友だちの5歳の息子が
隣で果敢にコーヒーカップを回転させる。
おお、男らしい。いつのまにこんな成長したんだ?
すぐにコーヒーカップはすごい勢いで回り出す。
歓声をあげながら、みんなで大笑い。
楽しいなぁー、これ。
なのに、だんだん気持ち悪くなる私。
はきそうになりながらも、笑い、感動し、早くもてんこ盛り。
何十年かぶりにメリーゴーランドにも乗った。
大人が恥ずかしげもなく乗れるメリーゴーランドを造ってくれて
ありがとう、ウォルト。
ディズニーランドは早くもクリスマスバージョン。
パレードもクリスマススペシャル。
早いうちに陣どって、ピクニックのマットを敷き、
パレードが来るのを待つ。
ディズニーランド初体験の男の子は
何もかもに純粋な驚きと喜びを見せてくれる。
やがてパレードがくると
飛び上がって手を振り、歓声を上げ、
彼らをまねて、無心に踊る。
その無心さといったら、
この世の無心を全部かき集めても足りないくらい。
はじけるような笑顔の彼の横顔を見つめて
母親である友が、母親の笑顔で笑っている。
同じように包むような目で息子を見る夫と目をあわせ、
また夫婦で笑いあう。
夫の腕の中には、
二人目のかわいい女の子が抱かれている。
人々の歓声とパレードの音楽と
ポップコーンの匂いと
そんな山盛りの楽園の中で、
彼女が歩いてきた時間が
ここに、ひっそりと美しい花を咲かせている。
それを思ったら、涙があふれてきて止まらない。
タオルで目をおさえながら、また男の子を見る。
買ってもらった帽子のキャラクターがやってくると
慌てて帽子をかぶり直して、誇らしげに手を振っている。
一同、大笑い。
私は泣き笑い。