誰かに久しぶりに会うと、決まって
「相変わらず忙しい?」なんて聞かれる。
そういえば以前は、疲れた顔をして
「まあね、結構いろいろ…」なんて
当たり前のように答えていた気もする。
でも最近は、その質問に少々当惑してしまい、
「えっ、全然。っていうかヒマ」なんて答えてしまう。
仕事の量はむしろ増えているし、
日々の行動も前よりバラエティに富んでるはずなのに、
そういえば何故だろう?
理由として考えられるのは
悪あがきをやめたことだろうか。
今日は書けないと分かっている日でも
必死に楽器に向かって曲を書いては
ムダな消耗をしていた。
空っぽの引き出しから、
無理にいろんな物を引っぱりだそうとして
悪戦苦闘していた。
そのほかにも、いろんなことで
カラカラと空回りをして
自分をことさらに忙しくしていたかもしれない。
最近の休みの日は
外へ出たければ、おさいふと電話とハンカチだけ持って
街へ出てぶらぶら買い物をし、
出たくなければ、ソファで寝っころがって
一日中本を読んでいる。
晩ご飯は、好きな音楽を聞きながら
丁寧に作ってみる。
そして少しだけ、新しい曲のことを考える。
ただ、ムダな消耗も
実は何かの糧になる必要なものだということも知っている。
どれくらいそれを生活に織りまぜるか、
そこが難しいところだ。