あまちゃん
今日で「あまちゃん」が終わってしまった。
明日から何を励みに目覚めたらいいんだろう。
NHKにも早速、私とおんなじような
最終回を惜しむ声が殺到しているそうだ。
今朝は、舞台となった久慈の町で、
「あまちゃんの最終回を見よう!」という集いをやっていて、
公民館みたいな所で老若男女が集まって感動に酔いしれ、
それをまたNHKが生放送しているという
NHK、ちょっと調子にのってんなぁって感じー。
そんな平和な国営放送を尻目に
私の心にはぽっかりと穴が開いて、
もう一度あったかい毛布にくるまってうなだれた。
ほとんどのあまちゃんファンは、
すでにお気づきだったろうが、
どんくさい私がやっと最近、はたと気づいたことがある。
「あまちゃん」のヒロインは、
たしかに天野アキちゃんだったが、
あの話は、母親の天野春子の物語だった。
そのことに最終回の3回前くらいで
雷に打たれたみたいに気づいて、
クドカン、すげえなーと思った。
あの男、ほげーっとしてるけど、
やっぱただ者じゃない。
日本中のありとあらゆる世代の人たちが
この物語に惹かれたのは、
単に、若くてかわいい女の子の成長物語ではないところだ。
彼女を通して、
若い時代に置き忘れたものや失ったものがある大人
(ほとんどすべての人がそうであるように)が
それを心の中で取り戻したり昇華したりしていく過程を
あたたかくコミカルに描いている。
彼が5分で歌詞を書いたとかいう
「潮騒のマーメイド」も、
マーメイドは、もちろん海女のことで、
「三途の川のマーメイド」という歌詞を
最後に鈴鹿ひろみ(薬師丸ひろ子)が替え歌にして
「三代前からマーメイド」と、その美声でじっくり聴かせ、
アキちゃん、春子、夏ばっぱの三代の海女の人生の物語を
華麗にまとめるとこなんか、もう、もう、
言葉を失うほどの脚本構成力、
完全ノックアウト。
しばらく朝は心を閉ざします。