気持いい秋晴れ。
今日は仕事も練習もほったらかして外へ出なければ!
と、顔を洗いながら思った。
こういう朝のインスピレーションは大切なのだ。
するとそこへバンマスから電話がかかってきた。
「いい天気だなぁ」と。
こうなれば、ドライブ!
車で30分ほどの大きな公園へ連れてってもらう。
フリスビーをやっていたら
運動意欲がムクムクと湧き出して、やたら走り回った。
その後、レールにロープがついてて
それにターザンみたいにしがみついて
ビューンといくのをバンマスに無理矢理やらされる。
最初は怖かったけど、やってみると楽しい。
小さな男の子が
「ママ、僕も、あれやるー」と待ってるのに
2回やった。
ギャラリーがいなかったら、
心ゆくまでターザン道を追求していただろう。
大きな芝生の広場に出ると
小さな紙飛行機がいくつも青空を滑空している。
何人かのおじさんたちが
手作りの飛行機をパチンコで空に飛ばしているのだ。
聞けば、ちゃんと方程式を組んで
羽根の楕円のカーブなどを計算するのだそうだ。
たしかにものすごい滑空時間。
空を大きく旋回しながら、悠々と飛んでいる。
一人のおじさんが飛行機を見せてくれた。
「695」とナンバーが書いてある。
「定年してから695機めなんです」と笑う。
定年後の趣味のサークルらしい。
私たちが感動して見ていると
おじさんたちは得意そうにパチンコのゴムを引っぱり
ビューンと飛行機を大空へ飛ばす。
空の青と、雲の白と、小さな飛行機の形が
この世で一番パーフェクトな絵に見えた。
人生の大きな山を
一つ登り終えた人たちが飛ばす飛行機。
私はまだまだ途中を歩いてるんだ。