神様は、犬を人間の友だちとして
この世に送られたという。
犬を見るたび、そうだよなーと思う。
その目を見つめているだけで
ここに小さな出口がある、そんな気がする。
近くの巨大ホームセンターには
ペットショップがあって
ガラスのケースごしにたくさんの子犬が見られる。
今日もそこへ向かう道すがら、
どらえもんの主題歌に合わせて
「いぬ、いぬ、いぬい、ぬい、ぬい、ぬいぬ…」と歌いながら、
ひときわ上機嫌。
どの犬もかわいい。
みんな連れて帰りたい。
子供たちをおしのけてガラスにへばりつき
いつまでもじーっと子犬を見ている。
私の将来の夢は、田舎ぐらし。
最近「中高年の第二の人生のスタイル」とか言っちゃって
妙に流行りだしたのが悔しい。
なんでも流行らすのが得意だ、この国は。
いざ流行りとなると、
大切にしていた価値がなんだか半減してしまうようで、いやだ。
田舎ぐらしをすると、
嫌いな虫にも慣れなきゃいけないし、
何より、日焼けによる老化という問題に
どう対処したらいいかと悩む。
自分ちの庭にも日傘なしでは出ない人間には
とりあえず不向きなのは分かってる。
が、しかし、UV対策を万全にして頑張ろう。
高木さんだって那須で頑張ってる。
で、犬を飼うのだ。
たぶんでっかいレトリバーとか。
一緒に走って、転がって、
ソファで本を読むときには
ヤツの重みがわきばらあたりにあって、
夜はかすかな寝息が聴こえてくる。
私はすべての都会の価値観から解放されて、
神様が創ったままの自然と、人の愛と、犬の友情を
濁りない目で見つめ、全身で感じながら、
人としてあるべき人生を送るのだ。