今日は大雪。
だけどふわっとした粉雪で
コートの表面をはらはら滑り落ちる。
傘をささずにフードかぶって
ゆっくり道を踏みしめて歩く。
半年の一度の歯の定期検診で
荻窪の歯医者さんまで電車に乗って行ってきた。
たまにしか行かないのに
この歯医者さんに行くときはいつも
大雨、大風、大雪。
でも先生はいつも採算度外視で、
患者さんのことを一番に考えくれる
とってもいい歯医者さんだ。
先生にはダイちゃんという男の子がいて
最初会ったころはヨチヨチ歩きの赤ちゃんで
診察室に転がっている、という感じだったけど、
今日久しぶりに会ったら
すっかり「男の子」になってて、
外で雪だるまを作って楽しそうに遊んでいた。
そんなダイちゃんの赤いほっぺたを見ていたら
訳もなく幸せな気分になった。
今日は石油ストーブでコトコトと
ビーフシチューを作ろうと決めていたので
帰りに牛肉のかたまりと野菜とバケットを買う。
本も5〜6冊買ってしまって
大雪の中よろよろ家に帰った。
野菜を洗っていたら友だちからメール。
「雪、大丈夫? 体調、大丈夫?」って心配してくれてる。
用がなくてもこういうメールをくれるって、
なんてすごいことなんだろう。
祝福された人生だと、そう感じる瞬間。
これからビーフシチュー作るから来ない?と誘ったら
彼女はとっても喜んでくれた。
こういう絶妙なリズムって、いいな。
ガス台でシチューの味付けをしたときには
まだ味が若い感じがしたけれど
ストーブにのせてしばらくしてから味見をしたら
泣きたくなるような、懐かしいまろやかな味になった。
ストーブの魔法だな。
近所の家々の大きな屋根が、分厚い雪の帽子をのせて
街灯に光ってる。
なぜだか、あったかい感じがする。
もうすぐ彼女がやってくる。